私の夢
リタイアしたのは犬のため。
間違いではありませんが、それだけが目的だったとも思えません。きっかけのひとつだったんだろうと思います。
よくよく考えてみたら、いえ、考えるまでもなく、私はリタイアしたかった。
それを、お金がないと、とか、働かないと、とか、よくわからない固定観念が妨げていただけです。
正しく言えば、リタイアをしたかったわけではなく、自由になりたかった。
会社員でいれば、社会的な身分は保証されるし、経済的にも安定します。
それと引き換えに、組織の秩序に縛られる。
時間的なこと、給料のこと、配属や昇進査定、もちろん仕事の進め方。それから人間関係。
自分の思い通りになることなんて、ほとんどありません。
そこに納得できる理由があればいいですが、ただただ虐げられているようにしか感じられなければ、拷問でしかありません。
私には向いていない、と思いながら、社会とはこういうもの、と我慢するばかりでした。
もっとやりがいのある仕事に就けば、もっとお給料が高ければ、天職と思えるような仕事に巡りあえたら、とも考えましたが、答えは出ず。
じゃあ、お金や世間体などを考えずに、どういう生活をしたいかと考えたら。
時間に縛られず、誰からも指図されず、自由になりたい。
趣味を続けたい。
それだけでした。
きっとずっと前から、私の願望はそこにあったんだろうと思います。
その願いが実現するように、たまたま犬の10歳というタイミングに合わせて、期が熟すように調えられていったんじゃないかと思います。