気ままに生きよ

気ままに わがままに 自分らしく

ムートン進退

久しぶりに銀座に行きました。
ついでがあったら行ってみたかった、銀座シックス。
土日にあたって予想以上の人出に、思いの外時間を取られてしまい、ゆっくり見て回ることは出来ませんでした。

ちょっと寄ることができたのが、JOSEPH。
洋服は、私とは全くタイプが違うブランドですが、JOSEPHといえばムートンコート。
ムートンコート大好きな私は、いつか欲しい、と憧れているのです。
季節柄、店頭にあるかも、と思って、似合わない高級ショップに思い切って突入します。
せっかく来たのだから、存在だけでも確認したい。
と思ったら、ありました、グレーのムートンコート。
実際に見るのは、7.8年ぶりくらい?
今のムートンコートを買うときに、羽織らせてもらった以来でしょうか。
当時も一応検討しましたが、さすがに30万円の支払いにビビって、買えませんでした。
今はいくらになっているかな、と恐る恐る値札を確認したら、ほとんど変わっていない。
良心的というか、当時からの強気のお値段というのか。
次はJOSEPH、と勝手に思っているので、変わらず商品としてあることにちょっと安心。
でも、ちらっと聞いた話によると、もう作らなくなるかも?

買うなら今、ということでしょうか。
今のコートもそろそろ10年。
もともと、10年経ったら買い替えるつもり、というか、10年は着るつもりで、大枚をはたいたのです。
10年経っても私のムートン愛が変わらないなら、それはもうホンモノとして、30万円のコートを買ってもいいんじゃないかと思っていました。

実物を見ちゃうと、そしてもう手に入らなくなるかも、と言われると、どうしようもなくテンションは上がります。
とはいえ、30万の出費。無職の私は、ボーナスでポン!というわけにはいきません。
宝くじが当たったらなー。
もしくは、コート代を稼ぐためだけに、アルバイトでもしようかしら。目標があれば頑張れる気もするし、そのためのバイト代だと思えば、すっかり注ぎ込んでしまうこともできそうな気がする。

今のコートと、デザイン的には似ています。
エストシェイプが手持ちのほうがキツく、それが購入当初からの気になるポイントだったのですが、大抵前は開けて羽織っているので、そのシルエットはごまかすことができました。
あと、もっさり見えないように小さめサイズを選んだため、前を止めるのはキツイ。
でもそれも、前を止めるほど寒いことなんて滅多にないので、やっぱり前を開けて羽織ってしまえば問題なしです。
毛皮の厚さは、手持ちのほうが厚かった。
それは、重いというデメリットでもあり、関東で着るには暑すぎる、というデメリットでもあります。

改めて手持ちのムートンコートを羽織ってみたら、そんな不満も気にならないほどの馴染み具合。
自分で見慣れてしまったというのもあるのでしょうが、これはこれで悪くない。
これよりJOSEPHを選ぶメリットは?と問い直してみても、なんとなく、としか言えません。
なんのことはない、ネームバリューと昔の憧れの刷り込みが、駆り立てていたというのが大半でしょう。
わざわざアルバイトをするほどではないかな、という結論に達しました。

ただ気になるのは、10年ひと昔と言われるように、一生モノと言われるものでも、10年経てばデザインが古くなる、という話。
デザインは似ていても、時代によってシルエットは少しづつ変わっているそうです。
いくら私が流行に無頓着でも、母の古着がちょっと違う、というのはわかります。
私のこのコートも、人様には古着のように見えているのでしょうか。
いやでも、古着というマーケットがあるんだから、古着を着ていても駄目ではないはず。って、おばさんがそれでいいのか?
見慣れ過ぎて、自分では気付けていないのかも。でも、去年はこのコートを褒められた。
まだギリギリ期限内だったのか、これからもし期限が切れたときには、自分で気付けるだろうか。
そういう不安もあって、早めに買い替えたほうがいいかも、という考えもないわけじゃない。
ああでも、この先10年、ムートンコートを着続けられるか、という心配もある。
今既に私が、苦しいズボンはもう履けない。
となると、ムートンコートの重さに耐えられなくなる日もきっと来る。
それもきっと、遠くはない。

そう考えたら、早々に買い替える判断は賢いとは言い難い。
今のムートンコートの寿命を感じた時が、決断のときかも。
体力の続く限り、鏡を直視できなくなるまで、このコートで頑張ってみる。
どちらかが限界に達したときに、そのときに最適な判断をすることにしよう。
それまでもう少し、頑張ってもらおう。